三陸ムール貝とは

シュウリガイ、エガイセトガイ、ヒメガイなど様々な名前で呼ばれ、日本にも在来した二枚貝の「イガイ」。大正の頃からヨーロッパからの船舶により運ばれ、フランス西岸から地中海・黒海に生息していたヨーロッパ種のムール貝である「チレニアイガイ」が日本にも定着。現在では「ムラサキイガイ」と呼ばれ、三陸地方でカキ養殖に付着する形で生息域が拡大しました。

三陸地方の代表的な牡蠣養殖産地である宮城県石巻市の雄勝湾では、養殖牡蠣に付着したムール貝を分離して、改めて雄勝湾の漁場で独特の「中層はえ縄」技法によるしっかりとした管理の下で個別に「海中備蓄」。新鮮な「活ムール貝」として、仙台地方や首都圏などの飲食店に、新鮮なムール貝を届けてきました。

現在雄勝地方では、この三陸地方で半世紀以上収穫されてきたムラサキイガイを改めて「三陸ムール貝」として定義し、世界的なムール貝産地になるべく、生産者が取り組んでおります。

(引用:三陸ムール貝公式ホームページより:https://www.sanrikumussel.jp/)


世界三大漁場「三陸地方」

雄勝湾で育ったムール貝は、リアス式海岸特有の陸地の森のミネラルを豊富に含んだ湧き水により、旨味が凝縮されます。またもともと塩分濃度の濃い海域でそこで育つ貝類は塩味が濃く、お料理やお酒などにとても良く合う味の濃いムール貝になります。「世界三大漁場」という時、三陸沖の様々な魚介類をイメージしますが、この森と海の恵みである「養殖」も、世界特有の価値を持ちます。

(引用:三陸ムール貝公式ホームページより:https://www.sanrikumussel.jp/)

三陸ムール貝の生産者

国産のムール貝はなかなか出回らないと言われており、飲食店やスーパーなどで提供されるの大半が、冷凍された海外産のムール貝た主流となっています。

しかし東日本大震災以降、雄勝湾の生産者たちは、雄勝湾の漁場で独特の「中層はえ縄」技法によるしっかりとした管理の下で備蓄し、「活でのムール貝」の販売を開始。「牡蠣」「ホヤ」に続く三本目の柱として「ムール貝」の生産と販路拡大、そしてブランディングに取り組んでいます。

 

昨今のコロナ禍に於いて、飲食業界は大変な苦境となり、またそれは海産物の生産者たちにも大きな影響が襲っています。この苦境だからこそ、このタイミングだからこそ、三陸の漁師たちは自分たちの資源を見直し、あえて新しいチャレンジに燃えます。
あの東日本大震災を乗り越えてきた三陸の人々なら可能に違いない。
「三陸ムール貝」は、彼らの不屈の闘志・チャレンジ精神の新たな象徴であり、矜持なのです。

(引用:三陸ムール貝公式ホームページより:https://www.sanrikumussel.jp/)



中層はえ縄備蓄 ~牡蠣・海鞘養殖の応用~

雄勝湾の漁師によって磨かれた、三陸独自の養殖技術

災害に強い養殖法を目指して

現在宮城石巻市雄勝湾で中心的に収穫される三陸ムール貝ですが、その最大の特徴は「中層はえ縄」と言われる雄勝地方独特の養殖技術を応用したところにあります。海面下2m程度の水深に桁縄を張り、ここに三陸ムール貝の入った籠を垂下する方式で、海表面の動揺が直接垂下連に影響することを防ぎます。これはもともとは、雄勝湾の牡蠣の養殖の技法として独特に発展したもので、いかだ式養殖と比べても、成長、収穫量が良好で、台風などの災害にも強く、年間を通して安定した供給を可能にしています。

三陸の恵みを最も引き出す技法

水深40m程度の雄勝湾は、水温が低く塩分濃度も一定。全国的にも珍しい、夏場でも夏場の生食用の美味しい牡蠣が出荷できることが知られております。「中層はえ縄」技法はその特徴を最大限に引き出す技法であり、それと全く同じ技法でムール貝を海中備蓄するという世界でも唯一の技法であり、通年での安定した品質での出荷が実現しているのです。